「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」結成総会
アピール
 
 戦争を体験した世代が減少し続ける今、沖縄戦の本質を揺るがすような幾多の大きな問題が相次いでいます。全国的にも、先の戦争を美化し、さまざまな戦争犯罪を歪曲する動きがあります。私たちは、これらの動きが沖縄戦の歪曲とも連動し、戦争ができる国家づくりにつながる動きとして決して看過できないという思いを持っています。本日、沖縄戦の歴史歪曲を許さないという思いを共有する私たちは、今日「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」を結成し、活動を開始していきます。
 昨年から大阪地裁で行われている「大江・岩波『集団自決』訴訟」においては、渡嘉敷島、座間味島でのいわゆる「集団自決」において「隊長命令はなかった」として、長年にわたる沖縄戦研究の成果が踏みにじられようとしています。軍の命令・強制・誘導により「集団自決」が引き起こされたことはこれまでの研究から明らかであり、住民の「崇高な犠牲的精神の発露」として「集団自決」が行われたとする見方は歴史の真実を歪曲するものです。「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の本質を揺るがしかねないこの訴訟の動向は決して看過することのできないものです。
 私たちは、沖縄戦の歴史歪曲に対するあらゆる動きに対してとりくみを行っていきますが、当面は、大阪地裁での「大江・岩波『集団自決』訴訟」の訴訟支援活動に重点を置いて活動を行います。訴訟は、来年から証人尋問等も始まり、重大な局面を迎えようとしています。今こそ、沖縄から組織的・持続的に訴訟を支え、「歴史の真実を曲げさせない」という県民の声を法廷の場・全国に向けて届けていくことが必要な時です。
 多くの県民と一緒に学び、この問題を共有し、沖縄戦の実相を歪めないという訴えを広く社会にアピールをする取り組みを進めましょう。多くの沖縄県民の声を裁判所に届け、私たちの子どもたちが学ぶ歴史を守るのは今の私達なのだという思いを胸にこの裁判を支援していきましょう。
 裁判所には、厳正・公正な手続きに基づいて適切な審理を行うことを求めます。審理においてこれまでの沖縄戦研究の成果・沖縄県民の声をしっかりと反映した裁判とすることを求めます。
 
2006年12月10日
「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」結成総会参加者一同




 




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