沖縄出張法廷支援集会アピール
「沖縄戦の真実を判決に!」

 現在,大阪地方裁判所で係属中の旧日本軍の守備隊長及びその遺族が、大江健三郎氏及び岩波書店を名誉毀損等で訴えた沖縄戦「集団自決」・強制集団死に関する裁判の沖縄出張法廷が、本日、福岡高等裁判所那覇支部で開かれます。多くの沖縄県民・全国の関係者が「沖縄戦の真実がどのように明らかにされるか」、その審理と判決に注目しています。
 わたしたちは、これまで担当裁判官らに対し、沖縄戦研究の成果及び戦争体験者によって語られてきたいわゆる「集団自決」の実相を十分に把握し、そして家永三郎氏が国を訴えた教科書第3次訴訟の最高裁判決で「集団自決の原因については、集団的狂気、極端な皇民化教育、日本軍の存在とその誘導、守備隊の隊長命令、鬼畜米英への恐怖心、軍の住民に対する防備対策、沖縄の共同体のあり方など様々な要因が指摘され、戦闘員の煩累を絶つための崇高な犠牲的精神によるものと美化するのは当たらないとするのが一般的であった」との指摘を踏まえた厳正・公正な審理及び判決を行うことを求めてきました。
 本日、出張法廷で証言される金城重明氏は、第3次教科書裁判において、渡嘉敷島における「集団自決」の体験者として、「集団自決」が「日本軍によって強制された死」であったという真相を赤裸々に証言されました。本日の証人尋問において語られる「集団自決」の真実に、担当裁判官らがその証言に真摯に耳とかたむけ、沖縄戦の実相を十分に把握されることを、強く期待するものです。そして金城重明氏の証言等を踏まえて歴史の歪曲を許さず、沖縄戦の真実が反映された公正な判決が下されることを強く求めます。

 

2007年9月10日
沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会
大江岩波沖縄戦裁判支援連絡会
大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会




 




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