「集団自決」に関する修正意見撤回を求める意見書の提出についての請願書

請願事項
1.高校教科書における、集団自決に関する検定意見の撤回意見書の東村議会での議決
2.意見書の、関係機関(内閣総理大臣、文部科学大臣、衆参両議院委員長)への提出
○請願の要旨
上の事項に関して、東中学校3年1組生徒一同から、東村議会に請願します。
 集団自決に対して、たくさん疑問に思うことがあるけれど、一番に感じるのは、生き残れたはずの命まで奪い、本当に残酷だな、という思いです。家族を守るために集団自決をしたのでしょうが、「守る」と「死ぬ」とは全然違う意味だと思います。しかし、みんなが初めから死にたい、と思うはずはありません。日本や、学校の先生からの「敵兵に殺されるより国や天皇のために立派に死ぬ」という教えが強かったから、みんなが集団自決していったのだと思います。守らなければいけない人たちが、守るべき人たちを集団自決に追い込んでいくのは恐ろしいことです。それでも、自分の家族を殺して自分も死ぬということは、人間がすることじゃないと思います。でも、戦争はそこまで人をおかしくさせるんだな、と思いました。たった一つしかない命を、親子で、顔見知り同士で、簡単に奪いあうのは、本当に悲惨だと思います。こんな風に、たくさんの人の心を変える戦争はすごく怖く、私達は再び戦争を起こさないためにも、過去の戦争を忘れてはいけないと思います。
 今、集団自決に関して、「日本軍による命令・強制・誘導」の部分が、教科書から抜け落ちる方向に進んでいると聞いています。そんなことになれば、戦争中の真実が分からなくなってしまいます。未来の子供達に戦争の怖さを伝えないと、また同じ事を繰り返してしまう、と思います。真実を伝えていくからこそ、戦争の怖さを知っていくと思います。集団自決の実体をねじまげて、教科書を新しく直すのは、私達沖縄県民にとって認められないことです。許せることではありません。そして、沖縄県民には、これを守る義務があると思います。この集団自決は、国や軍が「アメリカ軍に殺されるのは恥」とか「立派に死ね」とか、そんなことを沢山の県民に教え、それを信じさせたことが、とても大きな原因になったと思います。にもかかわらず、今になって、国の都合で教科書から、軍との関わりを消すというのはおかしい、と思います。真実を未来に伝えていく、これが平和な世界を作るための大きな一歩だと思います。今は、テレビでも、よく戦争や。殺し合いの場面を見せる番組もやっています。戦争の恐ろしさも教えないまま、こんなテレビばかりみていたら、未来の子どもたちは、戦争に興味をもってしまうでしょう。教科書に日本兵が犯した事、国や学校が犯した事、集団自決の事を載せて、戦争の恐ろしさ伝えていくべきです。国の都合の良いように話をつくりかえることはいけないことだと思います。今、日本は、戦争の真実から逃げようとしているのだと思います。戦後60年以上たった今、沖縄戦の体験者はどんどん少なくなっていきます。だからこそ、よけいに沖縄戦の悲惨さを、教科書に載せる必要があると思います。私達は戦争を体験してなくて、上手く意見は言えないけれど、戦争体験者が平和を願い思いと、その思いは同じです。これからの世代の人たちに、戦時中のことを、きちんと教えていくべきです。私達は、平和な世界にしていくために、戦時中の出来事を隠さず、きちんと、みんなに語り続けていくべきだと思います。
 戦争を二度とおこさないために、東村からも教科書の内容を変える事に対して、他の市町村みたいに、きちんと意見を出してほしいです。何の意見も出さなかったら、この教科書を変えることに賛成していることと同じ事だと思います。

地上自治法第124条の規定により、上記の請願書を提出します。

平成19年6月4日

東村議会議長 安和敏幸殿  

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