自民党県連へ要請・県民大会参加呼びかけ

2007年6月6日

自民党沖縄県連 御中

自民党県会議員 各位

6.9沖縄戦の歴史歪曲を許さない県民大会実行委員会


呼びかけ人代表 高嶋伸欣、佐久川政一、大濱敏夫、松田寛

連絡先 高教組 TEL887-1661 FAX885-3542

教科書検定修正意見の対応に関する自民党県連への要望書

6月3日の沖縄タイムス、6月4日の琉球新報は、自民党沖縄県連の「集団自決」修正意見に関する県議会意見書の取り扱いを報じました。この報道に対し、多くの県民から疑問の声があがっています。
 この問題については、6月4日現在41市町村議会のうち17の市町村が臨時議会を開催し、全会一致で撤回要請の意見書が採択され、ほぼ全ての市町村議会で今後意見書採択が予定されています。これは、集団死・「集団自決」に対する軍の関与を不明瞭にした修正意見が、沖縄戦の実相を覆い隠し、真実を消すことは許されないとの県民の怒りの広がりを示すものです。
 各市町村議会のこのような動きは、「修正意見の撤回」が保革を越えた大きな県民の声であることを物語っています。このような民意を踏まえるならば、県議会がすみやかに同様な意見書採択を行うような行動こそが県民の声を汲み取り、県政に反映させる議員としてふさわしいものといえるのではないでしょうか。
 報道によれば、貴党議員の多くの方が意見書採択に肯定的であることが明らかになっている反面、意見書に反対する理由として「裁判で係争中の問題であり、判決前に政治が介入すべきでない」という点を挙げておられます。しかし、裁判は一個人の名誉毀損の訴訟であり、その主張が沖縄戦の全体像を表しているはずがありません。
 これまでに市町村議会で採択された意見書は「軍の関与」という点を明確にした記述に戻せと要求しており、これは沖縄戦全体の歴史認識の問題なのです。沖縄県各地で発生したこの集団死・「集団自決」は、これまで体験者の声、「県史、市町村史」などの沖縄戦研究から軍の命令・誘導・強制等の軍の関与により発生したことが明らかにされてきました。そして第3次家永教科書裁判でも最高裁は、「『集団自決』の原因については、日本軍とその誘導」があったと明確に示しています。このような経過から教科書記述として定着してきたのです。
 私たちは、この沖縄戦の体験・研究成果を次代へとつなぐことこそが求められています。そのためには、学校で使われる教科書に歴史の事実を記述することこそが不可欠であり、その一歩が修正意見の撤回なのです。決して現在係争中の裁判について、どちらかの側の支援をするための意見書ではありませんし、裁判所が意見書を取り上げる理由もなく、裁判への影響を与える内容のものではありません。むしろ、この裁判を理由に教科書検定意見をつくりあげたのは文部科学省であり、国会答弁においても文部科学省自ら、裁判を今回の検定意見の理由にあげています。そのことこそが問題であり許されるものではありません。このように検定とは全く関係のない係争中の民事裁判を利用し、教科書記述に意見をつけることこそが指摘されるべきものです。
 現在、当県民大会実行委員会では「沖縄戦の歴史歪曲を許さない」という大きな一致点で保革を超え活動をすすめており、文部科学省の検定意見は学説上の根拠にも薄く、恣意的なものであることを指摘し、教科書記述を元に戻すよう求めています。

 以上のような観点から、貴党各議員が県民の代表者として県民の声に応えるためすみやかに意見書を採択して頂くよう要請いたします。

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